あなたにとって大切な人はいますか?
例えば、
- 両親
- 兄妹姉妹
- 恋人
友達もいいですね。
あなたの人生を華やかにしてくれる存在。
空気みたいだけど、当たり前だけど、かけがえのない存在。
正直、僕は人間関係には弱くて、あまり思いつかないけれども、たぶん「家族」なんだと思う。
あるエピソード話そう。
僕の知人で「ひろき君」という人がいました。
その人は昔、僕と一緒にコミュニティで頑張っている生徒でして、今は一緒に働いてくれる仲間です。
そんな彼のお母さんが亡くなりました。突然死でした。
いつもの朝に7時頃、絶対に起きてくるのに、起きてこなかった。
イビキがすごくて「なんか疲れてるんだなー」って思って、ずっと寝かしていた僕たち家族。
誰も気づかなかった。
そして、お昼頃までずっとお母さんは寝たままだったそう。
それが最期だったんだ。
彼の母はとても元気で、仕事や友達の間でもリーダー的な存在。
すごく明るくて、だからそんな彼女を失った空虚感は激しくて、彼の家族は泣きくれていた。
しばらくして、彼が復帰したので、僕はあることを聞いてみた。
彼の大切な人との最後の会話は何だったのか。「別に」だった。
その日、彼のお母さんが聞いてきたらしい。
「今日どんなことがあったの」って。
その時に彼は答えた。「別に」
いや、本当に何もなかったんだ。
何もなかったから、間違ってるわけじゃない。
だけど、それが悔やまれて仕方がないみたいだ。
大切な人との会話が、最期の会話が「別に」だったと言う。
他に何か言えたんじゃないか、と。
僕の選択肢は間違ってたんじゃないか、と。
彼は今、とても幸せである。
大好きだった彼女とも結婚できて、仕事もうまくいって、独立して、大きな仕事を任されて。
ただ、彼は1点だけ悔やむんだ。
僕のお母さんに他に何か言えたんじゃないだろうか、と。
あなたにとって大切な人はいますか?
その人と最後に何を話しましたか?
普段、意識してないけれども、人間の命というのは限りがあって。
みんな当たり前のように、寿命まであと何十年か先のよくわからない未来まで生きるんだ、と当たり前のように思っていて。
特に日本では長寿化も進んでるし、先進医療技術も進んでるし。
当たり前のように天寿は全うできるんだと、ついつい思ってしまう。
だけども、平均寿命っていうのは所詮「平均」でしかない。
死は突然訪れる。
だから問うて欲しい。
今日、私は、僕は、何を言えただろうか。
あの言葉が最後でよかったんだろうかと。
もちろん、そんなことを考えてたら、何も言えなくなってしまう。
だから時折でいい。
考えて欲しい。
これが最後でいいのかなって。
そう思うと不思議と愛情っていうのは沸いてくるもんで、意外と些細ないざこざとか忘れるもので。
人間って、期限がないとその人の本質を見れなかったりする。
大切な人だからこそ、
空気のような人だからこそ、
隣にいて当たり前の人だからこそ、
改めて考えて欲しい。
もしも、この人が帰ってこなかったら。
不安っていう意味ではない。
不安に駆られるっていうわけじゃなくて、選択するんだ。
自分の選択肢を広げるんだ。
あなたの人生の最後に「後悔」と言う懺悔をなくすために。
あの時ああ言っておけば、というそんな後悔をなくすために。
どうしようもない悔いをなくすために。
あなたも今一歩、勇気を振り絞ってほしい。
もちろん、僕も言えたもんじゃない。
愛のある言葉だったりとか、照れくさい言葉だったとか、正直言えたもんじゃない、わかる。
大事な人だからこそ、大切な人だからこそ、いざ目の前にすると言えなかったりする。
でも、いい。
それで、いいんだ。
その人のことを思う。
その人のことを許せる。
少しだけ、ほんの少しだけ、その人との会話が変わる。
それだけで、いい。
この記事で、この文章で、ほんの少しでも、あなたが大好きな人のことを思い出す。
少しだけ後悔して、少しだけ考えて、少しだけ前に進む。
その大切な人との関係が少しでも良くなれば、私はこの文章を書いた意味があると思う。
この世界に幸あれ。