懊悩とは、「おうのう」と読み、「悩むこと」を意味します。
煩悶とは、「はんもん」と読み、「苦しむこと」を意味します。
夏目漱石の「こころ」で出てくるフレーズでもあります。
どちらも心配を繰り返すという心情を表していますが、どう違うのでしょうか?
「懊悩」「煩悶」の違いは、心の内面か体の外か
- 「懊悩」は文字にある通り、心の奥で悩むこと。
あくまで心の中での変化・状態です。
- 「煩悶」は煩わしく(わずらわしく)悶える(もだえる)こと。
苦しみが表面や態度に出ている状態です。
内面で完結しているか、外面まで出てしまっているかの違いがあります。
「懊悩」と「煩悶」を比べるとどちらが辛いの?
心配事や不安などを繰り返して無限ループのように、苦しむ様子。
苦しみが表面に出ている様子から、以下の関係ではないでしょうか。
懊悩 < 煩悶
- 「懊悩」:「う~ん」っと、頭の中で悩んでいる状態
- 「煩悶」:「キーっ」っと、頭や胸をかきむしり悩んでいる状態
以下のような順序が自然です。
- 「懊悩」し続ける
- 頭の中が沸騰してしまう
- 「煩悶」し、さらに苦しむ
もちろん、頭の中は空っぽだけど「煩悶」だけという場合もあるでしょう。
懊悩煩悶の使い方・例文
- 「懊悩煩悶している内に、朝になってしまった」
- 「懊悩煩悶しても仕方がない。もはや後戻りできない」
難しい漢字のため、暗く複雑なイメージがより強く喚起されますね。